はじめに:女性が抱える結婚とキャリアの悩み

「このままキャリアを突き進んでいいのかな…」
「結婚したら、仕事はどうなるんだろう?」
「キャリアを積みたいけど、家庭も大切にしたい…」
結婚とキャリア、どちらも女性の人生において大切な要素です。女性のキャリアと結婚の両立を目指す方は多く、特に20代後半~30代になると結婚とキャリアの両立に悩む声が増えてきます。
この記事でわかること
キャリアと結婚の両立に悩む女性へ。
昇進、働き方、タイミング…具体的な不安や焦りをキャリアアドバイザーが解説。
「私だけ?」と感じるその悩みの原因と向き合い方を探ります。
この記事を書いた人


キャリアアドバイザーとして、結婚生活とキャリアの両立を実践している当事者として、日々多くの女性からキャリアと結婚、そしてその後のライフプランに関する悩み相談を受けています。仕事で活躍したい気持ちと、プライベートの幸せを願う気持ち。その両方を持つのは自然なことですが、現実には様々な壁や不安が立ちはだかります。
この記事では、仕事と結婚の両立に不安を感じる女性たちが、具体的にどのようなことで悩み、何に不安を感じているのか、そのリアルな声と背景にある原因を、キャリアアドバイザーの視点から深掘りしていきます。「これって、私のことかも…」そう感じているあなた、決して一人ではありません。
なぜ?女性がキャリアと結婚・ライフイベントで悩みやすい理由
多くの女性がキャリアと結婚に悩む背景には、いくつかの共通点があります。特に「結婚・出産との両立」は、女性のキャリアプランを考える上で非常に大きなテーマとなりがちです。それはなぜでしょうか?


ライフイベントの影響が大きい
出産や育児は、一時的にキャリアに大きな変化をもたらします。仕事のペースを落としたり、休職したりする必要があるため、復帰後のキャリアプランや評価への影響を懸念する声は後を絶ちません。
ロールモデルの不足
身近に結婚後のキャリアと家庭を両立している先輩女性が少ないと、将来像を描きにくくなります。特に管理職レベルで活躍しながら家庭も大切にしている女性のロールモデルを見つけるのは簡単ではありません。
「うちの会社で子どもがいる女性管理職は一人もいません。私は管理職を目指したいけど、両立できるのか不安です」(20代後半・メーカー勤務)
社会的なプレッシャー
未だに「女性は家庭を優先すべき」といった無意識の偏見や、「〇歳までには結婚・出産を」といったプレッシャーを感じる場面があることも事実です。女性のライフプランの悩みの多くはこうした社会的期待との折り合いに関するものです。
【ケース別】キャリアと結婚・ライフプランの悩み 具体例
キャリアアドバイザーとして、また共働きの当事者として、お話を伺う中で、特に多く聞かれる女性のキャリアと結婚に関する悩みをご紹介します。結婚前の方だけでなく、既に結婚している方や出産を経験された方の声も含まれています。


キャリアへの影響は?昇進・評価・役割への不安
「結婚や出産を控えていると思われたら、重要なプロジェクトから外されるのでは?」「育休から復帰しても、元のポジションに戻れるか不安…」「育休復帰後のキャリア構築って、実際どれくらい難しいの?」といった声は非常に多いです。
30代コンサルタント業界で働くCさんは、結婚後1年で第一子を出産し、1年間の育休を取得しました。「以前は大手CLIENTを担当していましたが、復帰後は比較的小規模な案件しか任されなくなりました。実力を発揮する機会が減ったと感じています」
いわゆる「マミートラック」に乗せられ、意欲があっても補助的な業務しか任されなくなることへの懸念や、給与・昇格などに男女差を感じている方も少なくありません。
時間がない!働き方とワークライフバランスの壁


「今の長時間労働のままでは、とても家庭と両立できない」「子育てしながらでも続けられる、柔軟な働き方ができる職場に移るべき?」など、仕事と結婚の両立のための働き方に関する悩みも深刻です。
20代後半の営業職のDさんは、「結婚してからも同じように遅くまで働いていますが、家事との両立で体力的にきつくなってきました。夫も忙しく、家事分担がうまくいかず、このままでは出産・育児との両立は難しいと感じています」
限られた時間の中で成果を出すプレッシャー、スキルアップや自己投資の時間が取れないことへの焦りも聞かれます。
いつが正解?結婚・出産のタイミング問題
「キャリアが軌道に乗るまで待ちたいけど、年齢的なリミットも気になる…」「パートナーは早く子どもを欲しがっているけど、私はまだ…」キャリアプランと結婚のタイミングをどう合わせるか、正解がないだけに、大きな悩みとなります。
20代後半のITエンジニアのEさんは「今は責任ある立場になり始めたところで、そろそろ結婚も考えたいけれど、今結婚や出産で休職すると、キャリアの積み上げが中断してしまう。でも、年齢のことを考えると先延ばしにもできないので悩んでいます」
パートナーの理解は?協力体制への期待と不安


「彼は私のキャリアを応援してくれるだろうか?」「結婚後も仕事を続けるうえで、家事をどう分担するか話し合えていない…」結婚後の生活は一人で作るものではありません。だからこそ、パートナーの仕事に対する理解度や協力姿勢は、非常に重要な要素です。
既に結婚して5年になるFさんは「結婚前にキャリアについての話し合いを十分にしていなかったため、今になって『奥さんが仕事を頑張りすぎると家庭がおろそかになる』と言われることがあります。もっと事前に価値観のすり合わせをしておけばよかった」と振り返ります。
「こうあるべき」?周囲のプレッシャーと社会の目
親や親戚からの「早く結婚しないの?」「子どもはまだ?」といった言葉や、友人たちのライフステージの変化に、焦りやプレッシャーを感じることもあります。
30代事務職のGさんは「周りの女性は次々と結婚して子どもを産んでいます。私もいつかは結婚したいけれど、今は仕事が充実している時期。でも『いい年して独身』という周囲の目が気になります」と語ります。
お金は大丈夫?経済的な不安


産休・育休中の収入減、子育てにかかる費用、働き方を変えた場合の収入への影響など、経済的な側面での不安も無視できません。
30代の製造メーカーで働くHさんは「育休中は給与が減額されます。その後時短勤務になると、さらに収入が減る。一方で子育て費用はかかる。夫の収入だけでは心もとなく、かといって私の収入が減るのも不安」と話します。
自分らしさはどこへ?アイデンティティの揺らぎ
「妻」「母」という役割が増えることで、仕事への情熱や本来の自分を見失ってしまうのではないか、というアイデンティティに関する悩みも、キャリア志向の女性には少なくありません。
30代で2児の母でもあるIさんは「子どもを産んでからは『○○ちゃんのママ』という呼ばれ方をすることが増えました。仕事を通じて培ってきた自分のアイデンティティが薄れていくようで不安になることがあります」と話します。
悩みの背景にある「構造」:個人の問題だけではない
これらの悩みの多くは、個人の努力だけで解決できるものではありません。背景には、日本社会の構造的な課題が存在します。


男女格差(ジェンダーギャップ)の現実
世界経済フォーラムが発表するジェンダーギャップ指数で、日本は依然として低い順位にあります(例:2023年は146カ国中125位)。特に経済分野や政治分野での格差が大きく、意思決定層における女性比率の低さや、男女間の賃金格差などが課題です。(出典:朝日新聞SDGs ACTION!)
長時間労働文化
依然として長時間労働を前提とした働き方が主流であり、育児や介護との両立を困難にしています。仕事の評価が「成果」よりも「時間」や「見える貢献」で行われがちな環境では、時間的制約のある人が不利になりやすい現実があります。
固定的な性別役割分業意識
「家事・育児は主に女性が担うもの」という意識が、社会にも家庭にも根強く残っている場合があります。実際、総務省の令和3年(2021年)の社会生活基本調査によると、共働き世帯でも女性の家事・育児時間は男性の約3倍という結果が出ています。この調査では、6歳未満の子供を持つ共働き世帯において、妻の家事関連時間が約7時間28分、夫は約1時間54分という結果が示されています。この差は縮小傾向にあるものの、依然として大きなギャップが存在していることがわかります。
まとめ:悩むのは自然なこと。まずは自分の気持ちと向き合おう


キャリアと結婚・ライフプランについて悩むのは、あなたが真剣に自分の人生と向き合っている証拠です。決して特別なことでも、あなたに問題があるのでもありません。
まずは、自分が何に不安を感じ、どうしたいのか、その気持ちを否定せずに受け止めることから始めてみませんか? 具体的なキャリアプランを結婚前に考えておくことで、悩みを最小限に抑えることができます。
結婚後のキャリアを充実させるためには、自分自身の価値観を大切にしながらも、パートナーとの対話を重ね、また会社の制度や社会のサポート体制を上手に活用していくことが大切です。
次回は、これらの悩みを乗り越え、あなたらしいキャリアと人生を築いていくための具体的な解決策やヒントについてお伝えします。



コメント